ヨーグルト考
考えたことはありませんでした。
自分で作るまでは。
作り始めて考えました。そして調べました。
ヨーグルト、生乳100%のものってほとんど無いみたいです。
多分季節によって乳脂肪分が変化し、大量生産だと味が安定しないからなんではないかと推測します。
さて、山羊ヨーグルト、牛乳ヨーグルトのようにしっかり固まりません。
たんぱく質の編成が違うのかなんなのかわかりませんが、固まり辛いのです。
ウチのヨーグルトもドリンクタイプです。
酸味が強くですぎず、粘性も中程度の乳酸菌を使っています。
それに国産(沖縄・奄美)のきび糖の粗糖を使っています。
目指す所はごくごく飲めて後味がスッキリしたものです。
飲み続けても飽きないものにしています。
甘味が足りないと感じる方もいるかと思いますが、ミルクの風味を活かしたいと思ってます。
来月頭から仔やぎが産まれはじめます。
忙しくなります。
産まれたらFBページでお知らせします。
仔やぎ、かわいいですよぉ
エサとミルクと乳等省令
『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』
いわゆる、乳等省令です。
これは、『牛乳やその他の乳、乳製品などについての成分規格や製造基準、容器包装の規格、表示方法などが定められている。(Wikipediaより)』厚生省が出した省令です。
平成26年12月25日に改正され、山羊乳では乳脂肪分が3.6%→2.5%に、無脂固形分が8.0%→7.5%に改正されました。
山羊乳は牛乳ほど乳脂肪分がないので、以前の基準では『山羊乳』の表記が難しい状況でした。
新基準では規格を満たすことが格段に易しくなりました。
以上、ちょっと小難しい話でした。
要するに、山羊乳を山羊乳として販売するには、乳等省令に準じる必要があるのです。
この改正がなければとてもじゃないけど、ミルクの販売はできませんでした。
同時に改正があったからやぎ暮らしを始めようと決意できました。
人生を左右する重大事案なのですよ
しかし、いくら乳脂肪分の基準が下がっても、草だけを食べてたら基準を満たさない可能性があります。
特に夏場は水をよく飲むので可能性が増します。
その為、ウチでは搾乳中に飼料を食べさせてます。
売っている配合飼料はとうもろこしが入っていて、飼料とうもろこしはほぼ遺伝子組み換えなので使っていません。
なので、自分で混ぜています。
内訳は
①あっぺん大麦(外国産・国内加工)
②ふすま(外国産・国内加工)
③醤油粕(有田川町にあるカネイワ醤油さんのものをわけていただいてます。こちらの原料は全て国産です)
④ノルウェー産の海藻
以上を季節によってバランスを変えながら食べさせてます。
上記のものを食べさせることで乳脂肪分を向上させ、ミルクとして販売できるように努めています。
あと、購入乾牧草ですが、オーツを与えています。アルファルファは遺伝子組み換えの可能性があるので与えていません。
ちょっと込み入った話になりましたが、ふ搾乳山羊のエサの話でした。
仔やぎについてはまた改めて書きたいと思います。
因みにウチは保健所さんから『乳処理業』と『乳製品製造業』の許可を貰ってます。
『乳処理業』がなければミルクの販売はできないのです。
ミルク考
いつでもどこでも牛乳が飲める国は豊かな国だそうです。
物流がしっかりしてて、冷蔵設備が整っていないとミルクというのは自由に飲めません。
ミルクは『旅』ができない食品なのです。
さて、生石に来て初めてミルクを搾って飲んだ時、想像したよりもクセがなく、かなり飲みやすくてちょっとした驚きでした。
以前別のところで働いていた時のヤギのミルクはヤギ独特のクセがありました。
その他のところのミルクやヨーグルト、チーズを口にする機会もありましたが、働いていた所以上にクセが強いものが多かったです。
やぎミルクが広まらない理由の一つにヤギ独特のクセがあると思います。
牛乳と比べてしまうと独特のケモノ臭のようなものがあります。
それがやぎミルクの個性ではあるのですけど、ダメな人は一定数いらっしゃいます。
なので、ウチのお土産にはやぎミルクを持っていかず、ヨーグルトにしています。
ウチのミルクはなぜあんまりクセがないのか?
理由を推測するに、やはりエサと水かなぁと思ってます。
ヨモギをメインに柔らかい草が多いのがウチの牧草地の特徴だと思います。
夏までのミルクはほんのりヨモギの匂いがします。
水は山水です。生石山は名前の通り岩が多い山で、山から下りてきている水はもしかしたらミネラルとかが多いのかもしれません。
やぎミルクはその機能性を売りにすることが多いのですが、(詳しくは検索してください)実際のところ、身体に良いことを訴求するのも大事だとは思いますが、そのままだけでなく、アレンジも含めて、飲んで美味しい、『あ、飲める!』というものを考えていきたいと思ってます。
個人的な感想ですが、やぎミルクは牛乳に比べてお腹に軽い感じがしてます。
お腹にドスンとくる感じが牛乳に比べると緩やかな気がします。
僕はやぎ乳も牛乳も大好きです。
土地のヤギ
『土地のヤギ』を作りたいと思ってます。
『生石高原のヤギ』です。
ヤギの新種を作ると言うことではなく、ウチならではのミルクを作りたいと思ってます。
生石の斜面を自由に駆け回り、水を飲み、草を食む。そうすることで『土地のヤギ』ができてくると思ってます。
草に関してはまだまだ道半ばです。
今は冬場は輸入乾草に頼ってます。
春から秋にかけては雨が続いてしまうとどうしても輸入乾草をやらざるを得ません。
ヤギ<と>暮らすだけなら道草を刈って与えれば良いのですが、ヤギ<で>暮らす為にはどうしてもある一定の栄養をキープしなければなりません。
ミルクを販売するには「乳等省令」という基準に沿う必要があり、その為に酪農家の皆さんはエサを工夫してます。
道草だけだとちょっと厳しいのです。
でも、来年以降のできるだけ早い時期からは夏場の草だけでも自給しようと色々思案中です。
春先~晩秋までは晴れていれば放牧地の草だけを食べ、こちらが草をやることはありません。
今使わせてもらっている放牧地は9面あり、そのうちの3面には牧草とクローバーをまきました。今年の秋にはあと2面に牧草とクローバーを蒔く予定ですが、残りの4面は何もせず、そのままおいています。
在来の草花を食べることで僕の中にある『土地のヤギ』のイメージに近づけたらと思ってます。
因みに在来の草のメインはヨモギで、年中あります。
春先はレンゲ、スギナが勢いを増し、夏場からはススキが頑張り、秋口からはイヌタデが増えます。ヤギはその時一番美味しいものを集中して食べます。
こちらで蒔いた牧草やクローバーは栄養価が高いので旬の草を補う形で食べています。
その為、ミルクの味は季節によって変わります。
ちょっと長くなったのでミルクの話は次回に回します。
生石高原やぎ暮らしです
今日も朝から寒い雨です。晴耕雨読。自分を正当化できる素晴らしいコトバ…VIVA!晴耕雨読!!
自分たちでヤギを飼うにあたり、名前をどうするのか?という課題がありました。
『~牧場』とか、『~農場』とか『~工房』とか、色々名前がありますが、我々がやろうとするのは、ヤギと共にある生石での生活です。
生石という土地でヤギと共に生き、ヤギの恵みを糧に生活をする。
『生石高原やぎ暮らし』
という訳でこの名前になりました。
やぎを飼い、乳を搾って加工し、販売する。それにより、日々の生活をしていく。
何一つ欠かすことなくその日を暮らしていく。
焦ることなく、傲ることなく、その日を丁寧に暮らしていきたい。
そういう事を考えてこの名前にしました。
皆様、お見知りおきを。
家族は3人と11頭
2月は少し手が空きます。
今年は去年よりもかなり暖かくて天気が悪いので、ゆっくりしてます。
ゆっくりついでに色々書いていこ‼と思ってます。
和歌山県は有田みかんで有名な有田郡有田川町でヤギを飼い始めて3年目になります。
在所は生石と書いて『おいし』と読みます。
生石高原というススキでそこそこ有名な所にいます。
いわゆるIターン移住というやつです。
あと、去年の3月に産まれた娘がいます。
縁があってここに居着くことになりました。
和歌山ですけど雪ふります。
山の上です。
ここで放牧し、ヤギを飼って乳を搾って暮らそうとしてます。
加工場もあり、保健所の許可もいただき、
2年前から細々と始めてました。
始めたばかりの頃は頭数もいないし、乳量も少ないのであまり表にはしてこなかったのですが、今年はメスが10頭になり、ヤギのことや地域の事など色々な事を発信していければと思ってます。